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(2006-10-30)

旧友は青春の薫り。

ランチも終わりかけの2時半過ぎ、ある男の人が店内に入って来ました。オフクロの驚いた「エッ!エーッ!」という声が聞こえます。(誰だろう?)と厨房から向こうを見れば、タナカさんです。「ランチに来たよー!」と僕らの驚いてるのを楽しんでるように笑っています。一歳年上のタナカさんは僕の旧友、忘れる事の無い心の友です。僕らはもう一人の友人と3人して、一緒に新潟に転勤して来ました。3人一緒に同じ新築アパートを会社に借り上げ寮にしてもらい、タナカさんはサービスマン、僕は営業マンと部署は違いましたが日々寝食を共にし、特にタナカさんとは週末も一緒に外出して遊びました。お互いガールフレンドを東京に残していたので、二人でどちらかの車に乗り込み、真夏も真冬も金曜夜の関越をブッ飛ばして多摩市まで帰ったのです。着いた晩はタナカさんはウチで寝て、朝からはそれぞれ別行動。そして日曜夜にまたウチで合流して新潟に帰る…という週末を月1度していたのです。お互いがそれぞれガールフレン
ドとは縁が無かったのですが、当時の夏は4人で大磯ロングビーチに行ったりしてハシャいだものです。会社を辞めたのは僕が先でした。タナカさんは「エッちゃん、淋しいから辞めないでくれよー!」と言われましたが、大丈夫だよ僕はそのまま新潟に居るからさ、と言って退職してしまいました。会社の借り上げアパートを出て西新潟に引越した僕。3ヶ月位したある日、タナカさんから電話が有って「エッちゃん、エッちゃん居なくなってつまらないから俺も辞めちゃったよー。」と言うではありませんか!さすがは薩摩隼人だ!と思いました、一本気なのです。驚きましたが、次の瞬間には喜んで「なんだータナカさん、マジで!?よし、じゃあ近くに住んで毎日遊ぼうよ!」となり、彼も近くに越して来ました。二人して「会社生活の垢を落とそう、しばらくはリフレッシュして楽しもう!」となり、預金をチマチマと崩しながら二人でグアム旅行に行ったり(1週間、毎日レンタカーで走り回り最高のバカンス)、新潟や福島の観光
スポットに遠出したり村松で渓流釣りしたり…と、瞬く間に1年半が過ぎ行きました。預金がそろそろと底を尽きかけて来て、タナカさんはまた東京に帰ってサービスで独立する、僕は新潟で厨房のアルバイトを探す、となり、涙の別れを決めました。僕が修業してる間もタナカさんは温かく見守ってくれ、ごくたまに東京か新潟で再会していました。僕がバイクスをオープンした時も、大金を持ってお祝いに駆け付けてくれて有り難さで胸がいっぱいになりました。今日、久しぶりに会ったタナカさんは昔と全く変わっていません。上から下までユニクロの普通の目立たないファッション。車も昔のCR-Vのまま。府中のアパートだってあの時のまま。何も知らない人が彼を見ても、この人がそこらのIT社長よりも遥かに稼ぐ人とは思わないでしょう。彼は毎日毎夜、作業着で、まだ人が眠っている時間でも黙々と働いて世界有数の大企業の顧客のサービスをこなしているのです。仕事が終われば武蔵野辺りの安い定食屋で夕飯を済ませるのです。ギャンブルも無し、酒癖も無し、
そもそも最近は酒も飲みません。恩義に篤く、女性にちょっかいかけるなんて皆無。昔から知ってますが、この彼女!と決めたら脇目を振りません。僕が女性なら絶対タナカさんのお嫁サンになります(オフクロも昔からそう言ってました)。
「タナカさん、そろそろ家建てる?」と聞くと、「そうだなぁ、もうアパートも無駄だから近いうち買おうと思ってさ。そうだな、やっぱり府中だなぁ。新宿も神奈川も近いしなぁ。」との事でした。高額所得者で何の節税対策もしていないと、ほとんど税金で納める結果となるからです。家建てる時は僕の部屋と駐車スペース確保してね!と頼むと、もちろんだよ!大きな駐車場作っとくよ、と言ってくれました。とても変なのですが、僕とタナカさんは昔から「歳とって一人だったら一緒に暮らそうね!(ご飯は僕が作るよ)」とよく言ってたのです、今日もですが。
そんなのどかなタナカさん、明日早朝の、彼しか出来ない物件の為に東京に帰ってしまいました。二人で夜っ引いて帰ったあの関越道を。旧友と過ごす時間は、青春の甘酸っぱい薫りでいっぱいです。




(2006-10-29)

星の夜の白鳥達。

ついこないだが夏だったのに、もう頭上を飛んで行く早朝の白鳥の鳴き声で起こされる季節になっています。昨夜は星のくっきりと輝く夜でした。こういう夜は、白鳥達がよく鳴くように思います。この3年、冬の毎夜、農道の十字路に立ち佐潟の方に耳を向けてきましたが、海鳴りのひどい荒れた夜などよりも星が強く輝く夜のほうが白鳥達が昼間のように騒ぎ続けているようです。理由は知らないのですが。今はまだ佐潟に向かっている仲間達に自分達の場所を知らせて呼んでいるのかなぁ、と思います。彼らはよく「クワッ、クワッ」とか「プァッ、プァッ」と鳴きますが、時折「パピポペパピ、ククッ、ピポパピ」 と話してるような声も聞こえます。僕にはこれがR2-D2(スターウォーズの小さいロボット)の声のようで、これが星の夜に聞こえるとスターウォーズ的な時間を妄想してしまいます。あー、今日も良い天気だ。




(2006-10-29)

腰に来る夜。

終わらない、一向に終わらない。10時を過ぎてからデミソースをやったりトマトソースを煮込んだり、カレーの最後のルー入れをしてから容器に仕舞ったり…これらが遅々として進まない。そりゃそうだ、ソース作りがササツと終わるなら料理はもっと簡単だ…などとグチりつつ、一人暗い厨房で黙々とグルグルと鍋をかき混ぜたりアクを取ったり。さすがに腰に来てる、外は星の降る夜だのに。12時、ようやく片付きました。でも今からラン〜飯〜お風呂を片付けないと。Oh!ワラNight!